
こんにちは、やさいです。
ついに期待の新作『Neverness to Everness(以下、NTE)』が正式リリースを迎えました!
個人的にも非常に注目していたタイトルです。
最初のティザー映像やゲームプレイトレーラーにおいて、『ゼンレスゾーンゼロ』と『鳴潮(Wuthering Waves)』を融合させたかのようなスタイリッシュな戦闘が公開され、瞬く間にPC・スマートフォンゲーム界隈で大きな話題を集めていました。
中でも最もプレイヤーの関心を集めていたのは、『グランド・セフト・オート(GTA)』シリーズのように「車両を運転して探索できるオープンワールド要素」が存在するという点です。
昨今のアジア圏タイトルに見られる洗練された戦闘システムと、自由度の高いオープンワールドが組み合わさった、非常に意欲的で新しいゲーム体験と言えるでしょう。
しかし、そんな魅力的な『NTE』ですが、グラフィックの処理負荷は超重量級です。
ゲームエンジンには「Unreal Engine 5(UE5)」が採用されており(『鳴潮』と同様)、リアルな光の反射を描画する「Lumen」技術に加え、驚くべきことに「パスレイトレーシング(パストレーシング)」の項目まで用意されていました。
ベータ版から正式版へのアップデートに伴い飛躍的な最適化が施され、「一部のGPU環境では最大90%のパフォーマンス向上が達成されている」という報告も上がっています。
とはいえ、依然としてPCスペックを大きく要求する重量級タイトルであることに変わりはありません。そこで本記事では、快適なプレイ環境を構築するための「推奨グラフィック設定」を、ロー・ミドル・ハイエンドのスペック別に分け、全項目の最適解を徹底解説します。
- 【徹底検証】全グラフィック設定のFPS計測比較表と画像検証
- 【初心者向け解説】「垂直同期」の正体とフレーム生成の意外な関係
- 「低プリセット」の罠を回避せよ:隠し設定と画質の両立術
- 【全項目網羅】ローエンド向け設定:GTX 1660 / RTX 3050級
- 【全項目網羅】ミドルレンジ向け設定:RTX 3060 / 4060級
- 【全項目網羅】ハイエンド向け設定:RTX 4070 / 50シリーズ
- NTE推奨スペックの真実:なぜ「32GB RAM」と「SSD」が土台なのか
- 失敗しないトラブルシューティング:カクつき・ちらつきの具体的解決策
【徹底検証】全グラフィック設定のFPS計測比較表と画像検証
設定ガイドへ入る前に、まずは「NVIDIA GeForce RTX 5070」と「AMD Ryzen 7 7700X」の最新環境にて、ウルトラワイド解像度(3440×1440)で計測したリアルなFPSデータをご覧ください。
NTEのグラフィック設定において、最も次世代を感じさせる項目が「Lumen(ルーメン)」「レイトレーシング」、そして究極の光表現である「パスレイトレーシング」です。これらがGPUにどれほどの負荷をかけ、そして「DLSS 4」のフレーム生成(FG)がいかに強力か、一目でわかる実測データとなっています。
▼ レイトレ・パスレイトレ・Lumen別 FPS比較表
※検証環境:RTX 5070 / DLSSバランス / 該当項目以外はウルトラ設定
| グラフィック設定 | フレーム生成 OFF | フレーム生成 2倍 | フレーム生成 4倍 |
|---|---|---|---|
| SSR(ベース環境) | 119 FPS | 169 FPS | 266 FPS |
| Lumen(動的GI) | 86 FPS | 133 FPS | 216 FPS |
| レイトレーシング | 57 FPS | 88 FPS | 154 FPS |
| パスレイトレーシング | 53 FPS | 79 FPS | 141 FPS |
(※参考:SSR設定 + フレーム生成OFF + 垂直同期ON の場合は 116 FPS)
以下は、それぞれの最高設定(フレーム生成4倍)および垂直同期ON時のスクリーンショットです。
▼ SSR(な弱になし) + フレーム生成 4倍

▼ レイトレーシング + フレーム生成 4倍

▼ パスレイトレーシング + フレーム生成 4倍

▼ SSR + フレーム生成 OFF + 垂直同期 ON

【初心者向け解説】「垂直同期」の正体とフレーム生成の意外な関係
PCゲーマーだけでなく、モバイル勢にとっても「垂直同期」や「遅延(ラグ)」は快適なプレイを左右する重要な要素です。
1. 垂直同期(V-Sync)とは何か?
一言で言えば、「ゲームの画像を作る速度を、モニターの更新リズム(リフレッシュレート)に合わせる機能」です。
* オフの場合: GPUが全力で画像を作り続けます。モニターのリズムとズレると、画面が横に引き裂かれたように見える「スクリーンテアリング」が発生します。
* オンの場合: 画面の引き裂きが消え、映像が安定します。ただし、リズムを待つ時間が発生するため、操作にわずかな「入力遅延(インプットラグ)」が生じるのが一般的です。
2. なぜフレーム生成をオンにすると垂直同期の設定が消えるのか?
DLSS 3や4に搭載されている「フレーム生成」は、AIが「本来存在しない中間フレーム」を勝手に作り出す技術です。この機能は、低遅延技術である「NVIDIA Reflex」とセットで動作することが必須条件となっています。Reflexが有効になると、従来の垂直同期(V-Sync)のバッファ処理をバイパスして遅延を最小化する仕組みが優先されるため、ゲーム内メニューからは垂直同期の項目が消えたり、自動的に制御されたりするのです。
3. 【検証】垂直同期は本当に「悪」なのか?
PCゲーム界の常識としては、少しでも遅延を減らすために「垂直同期はOFFにするもの」とされています。競技性の高いタイトルでは当然のセオリーです。
しかし、本作『NTE』で垂直同期をONにして実際に検証したところ、案外ものすごく快適なプレイフィールが得られました。
本作はシステム上、ゲーム側のFPS上限が120FPSに固定されているという独自の特性があります。この仕様と上手く噛み合うことで、垂直同期ONのデメリットである入力遅延が極限まで抑えられ、PC遅延が劇的に減る結果となりました。ベースのFPSが低い状態でフレーム生成を無理に使うと逆に遅延は増えますが、十分な性能を持つPC(RTX 5070等)で適切な同期設定を行うことで、カクつき(スタッター)が解消され、指先の操作が画面に即座に反映される「バターのような滑らかさ」を体感できるようになります。
こういったオープンワールドRPGのゲームにおいては例外と言えるでしょう。もし戦闘中に操作の遅延やカクつきを感じたことがある方は、一度あえて垂直同期をONにしてみることを強くおすすめします。
「低プリセット」の罠を回避せよ:隠し設定と画質の両立術
ベータ版当時の検証データに基づいた記事などでは、「動作が重ければ設定を下げればよい」と単純に結論づけられがちですが、『NTE』のグラフィック設定には知っておくべき重要な技術的仕様が存在します。
それは、グラフィックプリセットを「低」に設定した場合、UI(設定画面)上からは個別に調整できない影の描画距離や異方性フィルタリングの精度など、いわゆる「隠しパラメータ」が低品質に固定されてしまうという罠です。
そのため、ベースとなるプリセットを一度「低」にしてから、個別の項目を手動で「高」に引き上げても、遠景の影が消失するなどの視覚的な欠損が残り、画面全体が極めてチープな印象になってしまいます。
最も賢明で確実な最適化アプローチは、「中〜高プリセットをベースラインとして選択し、そこから描画負荷の高い項目を削っていく」ことです。
特に「Lumen(動的グローバルイルミネーション)」の処理は非常に重く、これをオフにするだけで約30 FPSものパフォーマンス向上が見込めます。ミドルレンジのRTX 3060や4060環境であれば、「Lumen」をオフにしつつベースプリセットを「中」以上に保つことで、美しい視覚品質を維持したまま、安定した60 FPSを確保することが可能です。
具体的なグラフィック項目の解説に移る前に、各プリセットを適用した比較スクリーンショットを掲載します。
※スマートフォンからご覧の方は、画像を横にスクロールして比較し、タップして拡大表示することが可能です。解像度はウルトラワイド環境での撮影となります。
静止画で見比べるとローエンドとミドルレンジの差異は僅かに見えますが、実際にゲーム内でキャラクターやカメラを動かしてみると、ミドルレンジ設定の描写の滑らかさと奥行きが明確に際立ちます。
静止画でもその圧倒的な空気感が伝わるのが、ハイエンド設定です。
上記のハイエンドスクリーンショットでは、さらに「パスレイトレーシング」を適用しています。地面の水たまりの反射や、オブジェクトが落とす影の緻密さによって生まれる立体感は、他の設定とは歴然たる差があります。
【特集】「パスレイトレーシング」と「フレーム生成×4」の衝撃:なぜRTX 5070が最適解なのか
検索データを見ていると、「レイトレーシング設定で重くなる」という声が非常に多く寄せられています。確かに、パスレイトレーシングは画面内のすべての光の挙動を物理的にシミュレートするため、ハイエンドGPUですら一瞬で悲鳴を上げるほどの負荷がかかります。
しかし、今回の検証結果の通り、最新技術「DLSS 4 フレーム生成(Multi Frame Generation)」の×4倍設定を活用することで、常識が覆ります。
「RTX 5070」なら、3440×1440のウルトラワイド環境であっても、パスレイトレーシング+フレーム生成4倍で街を駆け抜けても一切のカクつきや重さを感じません。
街を走っている時に映るお店の入口のガラス窓や、路面の水たまりなどに、パスレイトレーシングならではの息を呑むような美しさを感じます。激しい戦闘アクションの最中にはあまり意識しないかもしれませんが、ふと立ち止まった時の景観や都市探索において、パスレイトレがもたらす圧倒的な没入感の実感は凄まじいものがあります。
ただし、フレーム生成は倍率を上げるほど入力遅延(インプットラグ)が増加する仕組みです。そのため、フレーム生成の高倍率設定は「戦闘を避けて純粋に景観や都市探索を楽しみたい時」に限定するのが得策です。パスレイトレーシングの美しさと高FPSを両立させる「DLSS 4」を使用するにはRTX 5000シリーズのグラフィックボードが必須となりますが、その中でも『RTX 5070』は価格と性能のバランスが最も優れたスイートスポットと言えますね。
【全項目網羅】ローエンド向け設定:GTX 1660 / RTX 3050級
最小要件クラスのGPU環境では、画質の向上よりも「フレームレートの絶対的な安定」を最優先とします。「Lumen」を完全にオフにして約30 FPSのマージンを確保し、アップスケーリング技術を積極的に活用してください。
こちらがローエンド環境を想定した最適化設定です。
【全項目網羅】ミドルレンジ向け設定:RTX 3060 / 4060級
ミドルレンジ帯のPCにおいては、1080p解像度で60 FPS以上を維持しつつ、視覚的なリッチさを引き上げることを目標とします。
なお、RTX 3060環境において、モニターのリフレッシュレートを120Hzに制限し、垂直同期(V-Sync)を強制的にオンにすることで、「バターのように滑らかな描写」を実現した検証事例も存在します。
【全項目網羅】ハイエンド向け設定:RTX 4070 / 50シリーズ
ハイエンド環境では、4K解像度と「Lumen」のポテンシャルをフルに解放します。
ただし、最新のRTX 40/50シリーズにおいて「DLSS有効時に特定のスタッターが悪化する」という特有のバグが報告されています。該当する症状に見舞われた場合は、一時的にDLSSを「オフ」にし、ゲーム内機能である「TSR」を使用することが、現時点における最新のワークアラウンド(回避策)となっています。
NTE推奨スペックの真実:なぜ「32GB RAM」と「SSD」が土台なのか
グラフィック設定の最適化について解説してきましたが、快適なプレイ環境を構築するためには、そもそも「SSD」と「メモリ(RAM)」の性能が強固な土台として欠かせません。
『NTE』が公式に要求する「32GB RAM」という異例の推奨スペックは、UE5のオープンワールド・ストリーミング技術を最大限に活用するための必然的な数値です。
プレイヤーが「ヘテロの大都市」を高速な車両で駆け抜ける際、膨大なテクスチャとジオメトリデータが常にメモリ上へ展開され続けます。検証データによれば、16GB環境でブラウザ等を同時起動しながらプレイした場合、深刻なメモリ不足(スワップ)が発生し、これが移動中の激しいスタッター(カクつき)を引き起こす直接的な原因となることが判明しています。

また、ストレージに関して言えばHDDでのプレイはかなり厳しいです。
UE5の「Nanite(仮想化マイクロポリゴンジオメトリ)」技術の特性上、データの読み込み速度が追いつかないHDD環境では、テクスチャの表示が遅れる「ポップイン現象」が多発するだけでなく、車両移動中に世界が数秒間フリーズしてしまう「ストリーミングラグ」が不可避となります。
NVMe規格の高速SSDへのインストールは、フレームレートを稼ぐ以前の「最低限の土台」であることを強く認識しておきましょう。
安定したプレイを支えるおすすめパーツ
『NTE』の世界を心置きなく楽しむために、もし現在お使いのPCパーツに少し不安がある場合は、土台となるストレージやメモリから見直してみるのがおすすめです。相性問題が起きにくく定番のCrucial(クルーシャル)製などを選んでおくと、トラブルも少なく安心ですね。
▼ PCIe 4.0対応 高速 M.2 SSD
大容量・高負荷なオープンワールドのロード時間や移動中の読み込みラグを抑えるためには、読み書きの速いNVMe SSDが非常に頼りになります。
▼ DDR5 デスクトップ用メモリ(16GB×2枚)
『NTE』の要求スペック「32GB」をしっかり満たせる最新のDDR5メモリです。マザーボードとの相性も良く、ゲーム中の突然のカクつきを抑えてくれます。
失敗しないトラブルシューティング:カクつき・ちらつきの具体的解決策
「PCスペックは十分に足りているはずなのに、画面の挙動がおかしい」といった場合、以下の技術的要因が考えられます。
- AMD環境のフリッカー問題:FSR 3.1を有効化している際、キャラクターが静止している状態で画面が明滅(フリッカー)する不具合が確認されています。解決策としては、モニターのリフレッシュレートを144Hzから120Hzに引き下げ、垂直同期(V-Sync)を強制的にオンに設定してください。これにより電力供給が安定し、フリッカーが解消されます。
- 初回プレイのスタッター:『NTE』は「ライブ・シェーダーコンパイル」という方式を採用しています。そのため、プレイ開始から約1時間は、ハードウェアのスペックに関わらず、新しいエリアへの進入や初見のスキルを使用するたびに一時的なカクつきが発生します。これは、主要エリアを探索し終え、PC側にシェーダーのキャッシュが蓄積されれば自然に解消されるため、心配は不要です。
- 外部ツールの干渉:公式の報告によれば、「MSI Afterburner」や「RivaTuner」といったモニタリングツールがバックグラウンドで起動しているだけで、ゲームがクラッシュしたり、そもそも起動しなかったりする事例が確認されています。
私自身もプレイ中、フィールド環境が一変するタイミングで軽微なスタッターを感じたほか、グラフィック設定(特に「Lumen」や「レイトレーシング」等の重量級項目)をリアルタイムで変更した際にゲームがクラッシュし、「PCの限界を超えたか」と察する瞬間がありました。
とはいえ、稼働中のゲーム内で極めて負荷の高いグラフィック項目をいじってクラッシュする現象は、最新のPCゲームにおいては珍しいことではないため、過度に心配する必要はないでしょう。
総括すると、『NTE』は「Lumen」や「Nanite」といったUE5の最新機能をフル活用した、従来の要求スペックの基準が通用しない「本物の次世代タイトル」です。
快適なプレイ環境を構築するための最適解は、「自身のGPUパワーに合わせて『Lumen』を適切に割り切ること」、そして「32GBのRAMと高速なSSDという、物理的な足回りを強固に固めること」に他なりません。特にRTX 40/50シリーズやAMD環境に特有の不具合も、アップスケーラーの選択やリフレッシュレートの調整といった知識さえあれば、現時点でも最高峰のゲーム体験が可能です。
最後に、個人的に「これだけは絶対に高く設定してほしい」という項目をお伝えして締めくくります。
それは「焦点距離」です。UE5によって描かれた広大な大都市をハイスピードで駆け抜ける本作のゲーム性において、遠景のビル群やネオンサインがクッキリと描画されるかどうかで、世界への没入感が天と地ほど変わります。この項目だけは安易に妥協せず、可能な限り高く設定してみてください。
もし「PCスペックに余裕がないのに、無理をして全ての設定を『最高』にしてしまっている」という方がいれば、今すぐ「Lumen」をオフにし、「中〜高」プリセットをベースに設定を見直してみてください。驚くほど滑らかで快適に、『NTE』の世界を冒険できるようになるはずです。
(※スマートフォン向けのチップセット別設定早見表については、また別の機会に詳しくまとめたいと思います!)
やさい / Neoteros 管理人
PCゲーム・ハードウェア特化ブログ『Neoteros(ネオテロス)』にて、最新グラフィックボードからマイナーデバイスまで実機検証を行っています。本記事のFPS計測や画質検証も、実際のプレイ環境に基づいた一次情報です。
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